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2004 年度 実績報告書

実世界カオスにおけるダイナミカルノイズに起因した複雑挙動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16760052
研究機関東京大学

研究代表者

等々力 賢  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10270886)

キーワードカオス / ダイナミカルノイズ / 特異値分解 / ゆらぎ / ノイズ誘起秩序 / 観測ノイズ / Chuaの電子回路
研究概要

これまでの研究では、実世界のカオスに影響を与える「ダイナミカルノイズ」に関して解析を行い、ダイナミカルノイズのカオスへの影響を抽出する評価手法を得た。本評価手法は、観測された時系列データに対して特異値分解を行い、得られた特異値の時間的なゆらぎを抽出することにより、ダイナミカルノイズのカオスへの影響を調べる手法である。その成果に基づき、本年度はダイナミカルノイズによるカオスの複雑挙動について解析を行った。
低次元カオスを対象にして、ダイナミカルノイズにより周期的な安定状態が生じる「ノイズ誘起秩序」に焦点を当て、時間スケール依存性の観点からダイナミカルノイズによるカオスの複雑挙動とそのメカニズムについて解析した。カオスが生じるChuaの電子回路を対象として、周期的及び非周期的なダイナミカルノイズを3元の常微分方程式で表されるモデル式に加法的に加え、得られたカオスデータに対して本評価手法を適用した。ノイズ誘起秩序発生の有無は、本評価手法での評価係数ACCがノイズ無しの場合よりも1に近ければ安定化が生じたものと解釈した。周期的なダイナミカルノイズについては周波数とノイズレベルをパラメータとし、時間スケール依存性を評価した。
その結果、ダイナミカルノイズが周期的な場合は様々なパラメータの組み合わせで安定化が見られたがその様子は極めて複雑であった。これは、本研究で対象にしたカオスが特定の周波数を持たない自律系であることが原因と思われる。安定化のメカニズムについては、比較的大きな周波数をもつノイズの場合はサドルノード分岐のような分岐過程により安定化が得られることがわかった。また、非周期的なダイナミカルノイズを加えた場合もノイズ誘起秩序は見られたが、安定化の様子は上記の揚合とは異なっていた。非周期的なノイズの安定化のメカニズムと高次元カオスでの解析は、来年度以降に継続的に行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 低次元カオスにおけるダイナミカルノイズ誘起挙動の解析2004

    • 著者名/発表者名
      等々力賢, 和田晋一, 長谷川秀一
    • 雑誌名

      2004年電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集

      ページ: 50

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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