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2004 年度 実績報告書

高速多重極子展開法を用いた派生証券の高速価格計算手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760053
研究機関名古屋大学

研究代表者

山本 有作  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20362288)

キーワードオプション / 数値計算 / 高速ガウス変換 / 2重指数型数値積分公式 / マートンのモデル / 固有値問題
研究概要

本研究では,アメリカン・オプション,経路依存型オプション,複数資産に依存するオプションなど,価格を求める解析的公式が存在しない複雑な派生証券について,高速・高精度に価格を計算するための数値計算手法の開発を目的とする。これに対して,平成16年度は次のような研究成果が得られた。
(1)2資産に依存するオプションに対する計算法の開発
スプレッド・オプション,クウォント・オプションなど,2種類の資産に依存するオプションの価格を高速ガウス変換と2重指数型数値積分公式の組み合わせにより計算する方法を開発した。価格を5桁程度の精度で求める場合,本手法は,従来の2項モデルやモンテカルロ法に比べ,10〜100倍程度高速である。本成果は論文にまとめ,現在投稿中である。
(2)ジャンプのある資産価格モデルの下での計算法の開発
資産価格のジャンプを考慮したマートンのモデルの下で,バリア・オプションやルックバック・オプションの価格を高速・高精度に計算する方法を開発した。本手法は,従来法のうち最高速の手法であるReinerのアルゴリズムと比較しても高速である。バリア・オプションに対する手法についてはOperations Research誌に掲載予定,ルックバック・オプションに対する手法については現在投稿中である。
(3)ポートフォリオ最適運用のための基礎研究
オプションを含む資産ポートフォリオの最適運用を行うには,資産間の相関を主成分分析などにより解析することが必要である。これは数値計算としては大規模な固有値問題となる。これを解くための種々の計算アルゴリズムを実装し,速度・精度の比較評価を行った。本成果は論文にまとめ,情報処理学会論文誌ACSに掲載された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] キャッシュマシン向け対称密行列固有値解法の性能・精度評価2005

    • 著者名/発表者名
      山本有作
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌ACS 46・SIG3

      ページ: 81-91

  • [雑誌論文] 高速ガウス変換を用いた天候デリバティブの価格評価手法2004

    • 著者名/発表者名
      山本有作, 恵木正史
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌ACS 45・SIG6

      ページ: 176-185

  • [雑誌論文] A Fast and Accurate Algorithm for Pricing Discrete Path Dependent and Quasi-Path Dependent Options

    • 著者名/発表者名
      M.Broadie, Y.Yamamoto
    • 雑誌名

      Operations Research (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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