研究概要 |
本年度は,振動型DE公式を改良して,FFT等を用いる従来の方法では計算困難なタイプのFourier変換に応用することを研究目的とした. 振動型DE公式の改良に関して,振動型DE公式の一般化を行い,Fourier変換に対するDE公式を導出し,計算の効率化のためのDE変換の調整を行った.さらに,このFourier変換に対するDE公式に含まれる,不等間隔データの離散Fourier変換について,実際の計算機上での計算の高速化を施した.このFourier変換に対するDE公式は,端点に特異性のある関数や収束の遅い関数のFourier変換の計算に対して特に有効であり,この場合従来の方法と比較しておよそ数十倍から数百倍の計算時間の短縮が可能となることを示した. また,sinc近似を用いた積分変換に対する新たな公式の提案も行い,その特殊例として,もう一つのFourier変換に対するDE公式が導かれることを示した.今後,この二つの公式の比較および関連性について考察する予定である.
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