常微分方程式の初期値問題の解を精度保証付きで求める方法について検討した。とくに、定義域が広い場合の解を極端な過大評価なしに求めるため、区間幅の増大の原因となるwrapping effectの影響を排除することができる特殊な区間演算方式であるAffine Arithmeticを通常の区間演算のかわりに適用する方法について検討した。本研究の手順は、1.「全体を細かなステップに分け、各微小ステップにおける初期値問題を考える」2.「微小ステップにおける初期値問題を同値な不動点形式に置きかえる」3.「不動点形式に対する近似解をPicardの逐次反復によって求める」4.「得られた近似解をもとに解の候補者集合を生成する」5.「Schauderの不動点定理を用いて解の存在判定を行う」のように分けられるが、上述のステップ5.の中の、候補者集合とその積分作用素(これはコンパクトな連続写像である)による像との間の包含を、Affine Arithmeticを用いた場合にどう判定するかについて検討を行った。
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