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2004 年度 実績報告書

その場観察による構造用セラミックスの使用温度域における自己き裂治癒機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16760062
研究機関横浜国立大学

研究代表者

高橋 宏治  国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (90334630)

キーワードセラミックス / 自己修復材料 / 自己き裂治癒 / その場観察 / 窒化ケイ素 / アルミナ
研究概要

まず,き裂治癒能力が優れた窒化ケイ素およびアルミナを焼結した.これらの材料には炭化ケイ素の微粒子またはウィスカーを複合させている.これにより,優れたき裂治癒能力と機械的特性を発現させることができる.続いて観察用の試験片を機械加工した.初期き裂として,ビッカース圧子により表面長さが100μmの半円き裂を試験片表面に導入した.続いて,赤外線加熱炉と光学顕微鏡からなる顕微鏡用高温観察ステージを用いて,大気中において室温から1300℃まで昇温速度一定で温度を昇温させた後,30分程度保持した.このような方法で自己き裂治癒挙動の「その場観察」を行った.
窒化ケイ素では,800℃程度までは初期き裂は明瞭に観察され,き裂はほとんど治癒されてないことが分かった.しかし,1000℃程度まで昇温するとき裂が観察されにくくなるとともに,試験片表面は生成物で覆われていた.この生成物は窒化ケイ素(Si_3N_4)および炭化ケイ素(SiC)の酸化により生じるSiO_2であると考えられる.1300℃で5分程度放置するとき裂は完全に酸化物で覆われることが分かった.
アルミナでは,1200℃程度までは初期き裂は明瞭に観察され,き裂はほとんど治癒されていないことが分かった.しかし,1200℃後半において,複合させた炭化ケイ素が大気中の酸素と反応し,酸化物(SiO_2)が発生し,き裂が治癒されていく挙動が観察できた.
以上のように,本年度は基本的なき裂治癒挙動のその場観察ができるようになった.来年度以降は,種々の温度において,き裂治癒物質の形態やき裂長さの時々刻々の変化を調査し,き裂治癒に要する最短時間等を明らかにする.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Threshold Stress for Crack-Healing of Si_3N_4/SiC and Resultant Cyclic Fatigue Strength at the Healing Temperature2005

    • 著者名/発表者名
      K.Takahashi, 他4名
    • 雑誌名

      Journal of the American Ceramic Society 88-3

      ページ: 645-651

  • [雑誌論文] Improvement of static fatigue strength of Si_3N_4/SIC crack-healed under cyclic stress2005

    • 著者名/発表者名
      K.Takahashi, 他5名
    • 雑誌名

      Journal of the European Ceramic Society 25(印刷中)

  • [雑誌論文] セラミックスの自己き裂治癒現象2005

    • 著者名/発表者名
      高橋宏治
    • 雑誌名

      金属 印刷中

  • [雑誌論文] High Temperature Fatigue Strength of Crack-Healed Al_2O_3 Toughened by SiC Whiskers2004

    • 著者名/発表者名
      S.K.Lee, K.Takahashi, 他3名
    • 雑誌名

      Journal of the American Ceramic Society 87-7

      ページ: 1259-1264

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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