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2004 年度 実績報告書

非局所結晶塑性を考慮した均質化理論に基づく大規模マルチスケール解析

研究課題

研究課題/領域番号 16760064
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 大  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70362283)

キーワード均質化理論 / 非局所結晶塑性 / 結晶粒界 / 多結晶金属 / 寸法依存性 / 有限要素法 / 転位論 / ひずみ勾配
研究概要

本研究では,非局所結晶塑性を考慮した均質化理論の構築と有限要素離散化を行い,多結晶金属の寸法依存性と非局所結晶塑性の関係を調べた.このためまず,単結晶金属のための非局所結晶塑性を考慮した均質化理論を構築するとともに,効率的な有限要素解析のための離散化を行った.さらに,多結晶金属の問題に理論を拡張し,結晶粒界でのすべりの境界条件が多結晶金属の寸法依存性に及ぼす影響を調べた.得られた知見を以下に述べる.
単結晶金属のための非局所結晶塑性を考慮した均質化理論の構築では,周期境界条件を用いた理論展開によって,周期単位境界における付加的なすべりの境界条件を統一的かつ系統的に取り扱えることを示した.つづいて,後退オイラー法の考え方に基づく離散化を行うことによって,マトリックス連成した1つの連立方程式が得られることを示した.周期的に障害物を有する単結晶金属の周期単位を有限要素解析したところ,本理論に基づく解析は,従来の逐次連成解析と比較して,増分安定性と計算効率のどちらも極めて優れていることが示された.
2次元FCC多結晶モデルの有限要素解析では,結晶粒界でのすべりの境界条件として2つの極端な場合(すべり自由条件とすべり拘束条件)を考えて解析を行った.この結果として,すべり自由条件では粒界にGN転位は堆積せず,巨視的特性に寸法依存性はほとんど現れなかった.これに対して,すべり拘束条件では粒界にGN転位の堆積が生じ,巨視的特性に顕著な寸法依存性が現れた.すなわち,多結晶金属の寸法依存性を調べる上で,結晶粒界の及ぼす影響を正確にモデリングすることの重要性が示された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 均質化理論に基づく多結晶材料の非局所結晶塑性解析2005

    • 著者名/発表者名
      奥村 大, 東 洋一, 大野 信忠
    • 雑誌名

      第54回理論応用力学講演会講演論文集 54

      ページ: 283-284

  • [雑誌論文] FCC多結晶モデルの非局所結晶塑性解析における結晶粒界の影響2005

    • 著者名/発表者名
      奥村 大, 東 洋一, 大野 信忠
    • 雑誌名

      M&M信州スプリングシンポジウム講演論文集

      ページ: 23-24

  • [雑誌論文] 均質化理論に基づく非局所結晶塑性の有限要素解析手法の構築2004

    • 著者名/発表者名
      奥村 大, 大野 信忠, 東 洋一
    • 雑誌名

      第48回日本学術会議材料研究連合講演会講演論文集 48

      ページ: 237-238

  • [雑誌論文] 均質化理論に基づく非局所結晶塑性の有限要素解析2004

    • 著者名/発表者名
      奥村 大, 大野 信忠, 東 洋一
    • 雑誌名

      第17回計算力学講演会講演論文集 17

      ページ: 709-710

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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