研究概要 |
本年度の研究としては、1)中子の素材選定とその溶解性,熱分解性特性評価、2)中子の素材に基づいた泥漿の分散媒・分散剤選定、および3)中子を利用しての成形・焼結を行った。結果を以下に示す。 1.中子の素材としては、アクリル樹脂が使用できることが明らかとなった。アクリル樹脂は、ジクロロメタンによるほぼ常温(35℃)での溶媒脱脂が可能である。 2.金属粉末を原料粉末とする場合、泥漿の分散媒としては、アルコール系のものかグリコールエーテル系のものが適する。ケトン結合を含むものは中子を犯すため、使えない。 3.泥漿の分散剤は、エタノールを使用した場合には、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノラウレートが適している。 4.泥漿には、成形体の強度を向上させるために、不飽和ポリエステル樹脂を添加する。この樹脂は真空焼結中に熱脱脂することが出来る。 5.以上の条件を満足する泥漿にて成形した場合、中子の崩壊や成形体の崩壊もなく、中子を含んだ形状の成形が可能であった。詳しい条件設定は、来年度の研究で行う予定である。
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