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2004 年度 実績報告書

擬似生体環境下での生体吸収性プラスチックの長期耐久性評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16760080
研究機関東京都立大学

研究代表者

小林 訓史  東京都立大学, 工学研究科, 講師 (80326016)

キーワード生体吸収性プラスチック / ポリL乳酸 / 擬似生体環境 / 結晶化学 / 生体吸収性複合材料 / クリープ試験 / 損傷力学 / マイクロメカニックス
研究概要

本研究では,代表的な結晶性生体吸収性プラスチックであるポリ乳酸(PLLA)を対象とし,アニール処理を施すことにより,結晶化度・結晶サイズを制御し,擬似生体環境中にて力学的負荷下での分解過程を詳細に観察することにより,分解による強度・弾性率の低下のメカニズム及びそれらに及ぼす結晶化度・結晶サイズの影響を明らかにする.以上をもって医療用接合材料としてのポリ乳酸における材料設計の指針を得る.
本年度行ったことは下記のとおりである.
・PLLAのアモルファス体を成形し,ガラス転移点(60℃)以上の温度でアニール処理を行い,結晶化度・結晶サイズを制御した試料を作成した.結晶化度は示差走査熱量計により,結晶サイズは薄片試験片の偏光顕微鏡観察により測定した.以上より,アニール温度・時間が結晶化度・結晶サイズに及ぼす影響を検討し,半定量的な予測モデルを構築した.
・様々な結晶化度・結晶サイズを有する試料に対して,準静的4点曲げ試験を行い,巨視的な特性を取得した.70℃24時間アニールを施したものが最大の強度を有し,アニール温度・時間の増加に伴い,強度が徐々に低下することが確認された.これは,アニール過程においては,初期の段階で残留応力の解放により強度が向上し,それと同時に起こる結晶化の進行により脆化し,このため徐々に強度が低下する.また,弾性率は結晶化度の増加に伴い,増加することが確認された.
・リン酸緩衝液浸漬に1〜16週浸漬させた試験片に対し曲げ試験を行ったところ,曲げ強度・弾性率ともにほとんど変化が観察されなかった.このため,現在さらに長期の浸漬実験を継続中である.
・生体吸収性セラミックスであるリン酸三カルシウム(TCP)を強化材として用いたポリ乳酸複合材料の作成を検討した.TCP含有量の増加とともに曲げ強度は低下するものの,弾性率は増加することが確認された.また,マイクロメカニックス及び損傷力学にもとづく解析を行い,応力-ひずみ挙動の予測を行った.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ポリ乳酸の強度に及ぼす熱処理の影響2004

    • 著者名/発表者名
      山口佳織, 小林訓史, 若山修一, 森井亨
    • 雑誌名

      成形加工04

      ページ: 477-480

  • [雑誌論文] 水産アパタイトの力学的特性に及ぼす焼結条件の影響2004

    • 著者名/発表者名
      小林訓史, 若山修一, 向後保雄, 西尾圭史
    • 雑誌名

      日本機械学会2004年度講演論文集 Vol.1

      ページ: 579-580

  • [雑誌論文] CNT/HAp複合材料の成形プロセスと力学特性評価2004

    • 著者名/発表者名
      小林訓史, 向後保雄, 西尾圭史
    • 雑誌名

      第29回複合材料シンポジウム講演要旨集

      ページ: 209-210

  • [雑誌論文] リン酸カルシウム系セラミックスの成形プロセス及び力学的挙動の評価2004

    • 著者名/発表者名
      小林訓史, 土方美樹, 向後保雄, 西尾圭史
    • 雑誌名

      日本機会学会第12回機械材料・科加工技術講演会講演論文集

      ページ: 43-44

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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