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2005 年度 実績報告書

超高アスペクト比を有するカーボンナノチューブを用いた高機能複合材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16760086
研究機関東京工業大学

研究代表者

安原 鋭幸  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70282829)

キーワードカーボンナノチューブ / 射出成形 / 機械的特性 / 熱的特性 / 高アスペクト比 / 理論予測 / 複合材料
研究概要

カーボンナノチューブ(CNT)は21世紀で最も重要な新材料の一つになると期待されており,従来の炭素繊維と同等のアスペクト比と従来の炭素繊維よりも優れたヤング率および引張強さを有することから,樹脂材料にフィラーとして添加して射出成形することによって,従来よりも少ない添加量で成形品の機械的特性をさらに向上させることができると考えられる.特に,CNTは直径がナノオーダーであるため,マイクロギヤやマイクロ流路に代表される微小部品等に新たに機能を付加するための充填材として適用できると考えられるが,これまでに微小な製品や薄肉製品に関する報告は少なく,特に長さの違いによる特性の評価はこれまで行われていなかった.そこで本研究では,CNT複合材料の微細部品への適用を視野に入れ,長さが機械的・熱的特性に与える影響について調べることを目的とする.
平均直径が80〜150nmで平均長さ2.9μmと4.5μmの比較的結晶性の高いCNTを用いて複合材料を作製し,射出成形したサンプルについて熱的特性を調べたところ,以下のことが明らかになった.CNTは繊維状であるため,射出成形における樹脂流動においてほぼ流動方向に一様に配向することがわかり,流動方向に垂直と平行に配向させた試験片を作製した.マトリクス樹脂にPPを用い,CNT濃度を変化させたサンプルについて測定したところ,レーザーフラッシュ法での測定方向にCNT配向させた場合は10vol.%と比較的低濃度の場合でも2.2W/mKであるのに対し,測定方向に配向していないサンプルでは,0.7W/mKと低い値にとどまった.またCNTを31vol.%添加することにより3.4W/mKというPPの16倍の高熱伝導率を得た.
次にEMA法により理論予測を行った.本実験で用いたCNTは結晶性が高いため,CNT単体のもつ熱伝導率を200W/mKとして計算を行うとほぼ理論値と一致することがわかった.この理論計算によるとアスペクト比が大きく影響し,例えば長さ10μmCNTとすると,およそ5倍の約20W/mKに達することがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 樹脂基カーボンナノファイバー複合材料の熱伝導率2006

    • 著者名/発表者名
      藤原修, 榎本和城, 安原鋭幸, 村上碩哉, 寺木潤一, 大竹尚登
    • 雑誌名

      精密工学会誌 72

      ページ: 95-99

  • [雑誌論文] Mechanical Properties of Carbon Nanofiber Reinforced Composites and Fiber Orientation Behavior in Thin-wall Injection Molding2006

    • 著者名/発表者名
      T.YASUHARA, H.AIHARA, H.ITO, T.SAITO, K.ENOMOTO, N.OHTAKE
    • 雑誌名

      CD-ROM Proceedings of Asian Workshop of Plastic Processing in Taiwan 2005

      ページ: 20

  • [雑誌論文] 樹脂基カーボンナノファイバー複合材料薄板の射出成形とその特性2005

    • 著者名/発表者名
      相原広志, 安原鋭幸, 伊藤浩志, 斉藤卓志, 榎本和城, 大竹尚登
    • 雑誌名

      成形加工'05(プラスチック成形加工学会年次大会予稿集)

      ページ: 95-96

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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