研究概要 |
平成17年度における研究では,平成16年度で行なってきた一連の測定を継続し実験条件を拡張して行った.具体的には非定常現象としての液膜界面波の形成と気相乱流場との相互干渉を確実に実現・再現できるテーパー管テストセクション内を流動する,空気・水系の垂直上昇環状流を対象とし,高速度ビデオカメラならびに高性能デジタルカメラを用いて,非定常現象としての気液界面波の形成過程における動的挙動についてバックライト法により撮影し,その波長,界面形状などの構造や,それらの断面位置における変化を明らかにした.得られた画像より,画像速度計測法を用いて界面波移動速度ならびに加速度の測定を行った.また定温度型熱線流速計を用いた気相乱流場の詳細な計測を用いた液膜界面波の時系列測定を行った.これについては,テーパー管におけるノズル部,のど部,ディフューザー部の断面位置について行った.気相流速の時系列測定では,熱線プローブを管側壁から内部へ挿入し,トラバース装置を用いて断面内で半径方向の位置決めを精密に行うことにより,管断面内における速度や乱流強度分布の測定を行った.点電極型探針プローブによる液膜厚さ測定もあわせて行った.得られた気相流速ならびに液膜厚さの測定データより,その相似性や関連について定量評価を行った.またあわせて高速度カメラによる撮影動画像ならびに測定された界面波移動速度.加速度と総合的に照らし合わせることにより,非定常現象としての液膜界面波の動的挙動と気相乱流場との相互干渉について明らかにし現象を理解した.また得られた研究成果については,国内外を問わず関連学会等で発表を行った.
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