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2004 年度 実績報告書

時分割と領域分割を併用した非圧縮性流れ計算の高効率並列化手法

研究課題

研究課題/領域番号 16760138
研究機関武蔵工業大学

研究代表者

島野 健仁郎  武蔵工業大学, 工学部, 講師 (90287475)

キーワード数値流体力学 / 非圧縮性流れ / 非定常流れ / 並列計算 / 加速手法 / 領域分割法 / 時分割法
研究概要

低粒度における並列計算の効率低下を防止する方法として時分割法の併用があるが、これには収束性が悪化してしまうデメリットがある。よって、本研究では領域分割と時分割を併用した並列計算手法を確立するための第一歩として、時分割によりもたらされる収束性の悪化を防ぐための計算加速手法について検討を行った。
まず、定常流れ計算のための加速手法であるSensitivity Based Methodを非定常流れへと拡張するための定式化を試みた。その結果、過去の複数のタイムステップにおける収束解ベクトルを線形結合することにより次のタイムステップの収束解を近似し、線形結合の係数を最小二乗法で決定する手法を構築した。なお、Navier-Stokes方程式の非線形性を考慮する度合いにより、レベル1から3までの定式化を行った。レベルが高くなるにつれて非線形性がより正確に考慮されるが、加速処理に要する計算時間は長くなる。
次に、上記の加速手法を検証するために、非定常なカルマン渦が発生する角柱周りの流れ場を対象として計算を行った。上記加速手法を施すことで時間微分項を含む運動方程式の残差は2桁近く減少し、10の-5乗レベルを計算打ち切り残差に設定した場合の加速率は約2倍であった。また、非線形性の考慮度合いを変えた場合であっても、この加速性能に大きな変わりはなかった。そのため、もっとも計算負荷の低いレベル1の方法が適していると考えられる。一方、連続の式には時間微分項が含まれていないため、これから計算される圧力場には時間ステップが進むにつれ誤差が蓄積されていき、5タイムステップほどで加速手法の効果がなくなってしまうことがわかった。さらに計算を進めるとむしろ計算時間が長くなることも判明した。これは非線形性の考慮度合いを高めた場合でも改善されることはなかった。よって、線形結合に用いている基底ベクトルの改善や連続の式と運動方程式のカップリング方法の改善が必要であると考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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