研究概要 |
背景と研究目的 触媒を全く用いない低温燃料改質システムとして,加圧下で形成される非平衡プラズマを適用した非触媒型マイクロ燃料改質器を提案し,その開発を目的に研究を行う.平成16年度は,大気圧プラズマリアクタのプロトタイプ試作,プロセスの電気,反応基本特性を明らかにすることを目的に研究を行った。 成果 プラズマ燃料改質の基本特性として,メタン転換率と投入エネルギーの関係を調べた。比投入エネルギーでデータ整理すれば,様々な反応条件で得られた結果を一つのグラフ上で評価することができる。メタン転換率は比投入エネルギーに対して単調に増加する。原料ガスmol当たり10eV/molecule(=963kJ/mol)の電力を投入した場合,常温でもメタン転換率は25%に達した。一方,すべてのデータは1つの曲線上にプロットされ,比エネルギーの増大にともなって転換率は単調に増加した。つまり,外部パラメータとしてのリアクタ構成(形状・容量),ガス組成・圧力・流量が,プラズマ粒子(電子,イオン,活性種)の密度やエネルギー分布に及ぼす影響が小さく,外部パラメータが多い反面,反応制御性は低いことを示している。このことは,ラボスケールでリアクタを最適化すれば,そのまま所望の容量まで容易にスケールアップできることも意味している。周波数が高くなるほど反応場の熱化が著しく進行し,メタンの重合物(エタン,アセチレン,プロパン)などが多量に生成された。また,電極面上へ析出した固形炭素も確認された。消費電力を抑制して反応場の熱化を抑制できれば,更なる高効率化が期待できることを示した。
|