研究概要 |
本研究は,ベローズ状構造物に発生する渦励起振動の振動学的特性を実験的に調べた。パラメータとして,ヒダのピッチおよび換算流速を変化させて実験を行った。また,振動するヒダの周りの流れの可視化を行い,ヒダの振動と渦列との関係を明らかにした。実験により得られた知見を以下にまとめて示す。(1)柔軟なヒダが1つの場合には,渦励起振動は発生しないが,2つ以上の場合には大きな振幅を伴うロックイン現象が発生する。また,柔軟なヒダの数が多いほど,発生する振動の振幅が大きくなる。(2)互いに隣り合うヒダが逆位相で振動する逆位相モードで,大きな振幅のロックイン状態となる。(3)ピッチ比が2.0〜4.0では,ヒダの幅を代表長さとしたストローハル数は柔軟ヒダの数およびピッチに依存せず,約0.18の一定値である。(4)ピッチが小さくなると臨界流速が低下する。また,柔軟ヒダの数が2つの場合が最も臨界流速が低く,ヒダの数が多くなると臨界流速が少し高くなる。
|