16年度:磁気力を用いた複合型マイクロアクチュエータの動作方法の検討と試作 三次元微小構造物を用いたマイクロアクチュエータの動作原理としては、静電気力や外部磁場に起因する磁気力の使用が適当だと考えられる。今年度は液体中でも運用が可能である磁気力に着目し、磁気駆動型マイクロアクチュエータの試作を行った。まず、マイクロ光造形法で使用する光硬化性樹脂に磁性粉を混入することで、作製した微小構造物が外部磁場により吸着する機能を付加することを目指した。次に、マイクロアクチュエータの使用方法として、マイクロ光造形法などで作製した微小部品のハンドリングに使用するマイクログリッパを想定した。以下の項目について実験を行った。 1.光硬化性樹脂への磁性粉の混入による磁性の付加 2.磁性粉混入光造形樹脂の硬化条件の割り出し 3.磁性粉混入光造形樹脂の磁気特性の測定 結果として、磁性粒子と樹脂の質量比を1:20とした磁性粉混入光造形樹脂を、通常のマイクロ光造形法と同様の手法で硬化させることに成功した。また、このサンプル樹脂で5mm×1mm×0.5mmの試験片を作製し、電磁石により磁場を印加したところ、80mTの磁束密度で4×10^<-4>Nの吸着力が発生した。 この結果をもとに、磁性粉混入光造形樹脂を用いたマイクログリッパの試作を行ったが、マイクロ光造形装置のステージの不具合のため、グリッパ形状の製作に失敗した。現在、マイクロ光造形装置のステージを変更し造形精度の向上を目指している。マイクロ光造形装置の改修が終わり次第、マイクログリッパの試作を行う。
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