研究概要 |
高周波電磁界(励振周波数13.56MHz)の印加を行うことでMHDプラズマを生成・制御し、MHD発電機を高性能化することが本研究の目的である。これまでに衝撃波管駆動発電実験において以下の成果を挙げた。 1.衝撃波管装置・ディスク形発電機・計測システム・高周波電源の連携設定を行い、電磁界印加のタイミング及び電磁界印加用誘導結合型コイル設置位置を可変とした実験システムを新たに構築できた。 2.時間的・空間的な制御性の幅を持った電磁界の印加実験を行い、ヘリウムガスに少量のセシウム蒸気を添加したHe-Csプラズマに対する電磁界入射・反射電力の整合性、すなわちプラズマ初期生成の効率を高めた。衝撃波管駆動発電実験と高周波電力の時間的・電磁気的なマッチングをとることができ、高周波電磁界電力10kWを入力した場合に,正味としてプラズマ生成に消費される電力を5〜6kWとできた。 3.高周波電磁界印加時においても高い時間分解能・良好なS/N比を保つため精密な実験計測系整備を行い、発電実験においてプラズマの電子温度計測が可能となった。このことから、高周波電力を印加することにより電子温度の変動が小さくなる傾向を把握できた。 4.プラズマの構造を観察することができ、高周波電磁界印加が不均一なプラズマ構造を一様化することを示唆できた。このことから、従来の負荷率制御とは独立した能動的なプラズマ制御によって、電離不安定性を解消できる可能性も示唆された。 5.従来指摘されてきた不十分なシード率条件における初期非平衡電離促進の効果のみならず、広いシード率条件において高周波電力印加によるプラズマ安定化の効果が示唆された。
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