研究課題
本研究は、系統安定化用超伝導エネルギー貯蔵装置の大規模解析手法と最適化設計手法が目的となっている。該当年度は、超伝導エネルギー貯蔵装置に使用されるアルミニウム安定化超伝導導体の過渡安定性を評価するための大規模3次元有限要素解析コードを作成し、その有用性の検討を行った。最初に2次元解析による結果と3次元解析による結果を比較し、3次元解析の方が精度が高いことを確認した。次に、高磁場下で使用されることを想定し、2次元解析では考慮できなかったホール効果による影響を考慮した解析が行えるようにした。その結果、これまでに無い大規模解析が行えたことで、高精度な解析が行えるようになったが、一部分は実験と差異が見られるので、今後の課題となる。さらに、大規模解析の高速化手法も次年度は検討する必要がある。さらに、高温酸化物超伝導体を使用した超伝導エネルギー貯蔵装置の最適化設計を試みた。まず、独自に開発してきた非線形最適化手法を用いた超伝導マグネットの手法に、従来のソレノイド型コイルでなく、マルチポール型コイルやトロイダル型コイルなどの形状についても調査を行った。その結果、トロイダル型コイルが使用線材料、漏れ磁場、大きさなどのもっとも優位であることを確認した。現在は、磁場を考慮し、運転温度一定とした超伝導エネルギー貯蔵装置の最適化設計を行っているが、今後は、温度に関してはより詳細に伝導冷却特性の影響を考慮した設計が必要である。これらの成果は、Applied Superconductivity Conferenceをはじめとする国内外の学会にて発表を行った。
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity (掲載決定)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity Vol.14,No.2
ページ: 1330-1333