太陽電池エネルギーを安定化する電力変換装置と電力系統へ回生する電力変換装置の間で電力のバランス(平衡)を保つことにより、太陽電池の電力を知ることなく太陽電池エネルギーを有効活用できる方式を提案した。本方式を、電力平衡に基づく小型分散電源システムへ適応した場合、太陽光発電システム数が増えるため、分散電源システムのトータルコストの低減効果がさらに期待できる。本研究では、太陽光発電システムが複数台並列接続された場合の分散電源システムにおいて、電力平衡条件によりシステムのコストを削減し、系統に連系される小型分散電源システムを提案し下記の方法により評価および実証試験をおこなった。本提案方式は、電力平衡条件を利用しているため、システムを安定に運用するには設計法の確立が必要である。システムをモデル化し実用的な観点から主回路のパラメータ、安定性の観点から制御ゲインの設計指針を示した。その妥当性を複数台並列接続された場合のシミュレーションにより検証した。シミュレーションによる検討結果を実証するため、電力平衡方式太陽光発電システムが複数台並列接続を想定した場合の分散電源システムを構築し実験を行った。実験には、デジタル制御された太陽光発電システムを用い、本予算で購入したインバータユニットで再現性の実験を行うため太陽電池模擬電源と系統連系用インバータによりシステムを構成した。これらの成果の一部は、IPEC-Niigata2005で報告した。
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