研究課題
本研究では、レーザアブレーション(LA)と化学気相堆積(CVD)とを融合した「レーザ熱化学気相堆積」という新規手法によりカーボンナノファイバ(CNF)を成長させる。2カ年計画の最終年度にあたり、本年度はCNFの成長機構について考察した。(1)まずは、触媒による成長の違いについて調べた。PdやPdNi触媒から成長したCNFは他のNiやNiCoに比べて太くなった。Pd中の炭素原子の拡散係数(1100℃において1.76×10^<10>m^2/s)はNiやCo中の値に対して数倍高いことがCNFを太く成長させたと考えられる。(2)先の結果は、金属中炭素原子の拡散係数が温度とともに増加し、本実験でもCNFが温度増加により太くなった、ということからも裏付けられる。(3)次いで、LAにより供給される炭素微粒子とCNFとの相関について調べた。触媒の付いていない基板上に堆積した炭素微粒子径を測定したところ、炭素微粒子径とCNF直径とには明確な相関が見られ、微粒子はターゲットからの距離に応じて大きくなることが分かった。(4)さらに、触媒付き基板上から成長したCNFの直径・長さからCNFの体積を見積もり、触媒なし基板上に堆積した炭素微粒子の質量と比較した。ターゲットからの距離により両者の傾向は一致し、40mm付近にて最大値を持つことが明らかとなった。(5)以上より、本CNF成長実験において、LAにより蒸発された炭素原子分子群が雰囲気ガスとの衝突により凝縮し微粒子となり、これらが触媒の付いた基板上に供給されることでCNFが成長する、という成長機構が明らかとなった。本機構は、熱CVDにてCH_4等の炭化水素を用いたカーボンナノチューブ成長で論じられているものとほぼ同じであり、純粋な炭素によるCNF等の1次元物質の成長にも適用できることが明らかとなった。
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