研究課題
本研究ではデバイス構造下におけるチャネル間ポテンシャルプロファイルの可視化手法を確立し、スペクトル測定法を併用することで、界面を含む有機材料中の空間電荷分布とエネルギー分布を同時に決定することを目的とする。本年度はまず、顕微分光への準備段階として、ペンタセンからのSHGの起源、および金属上ペンタセン蒸着膜からのSHGについて検討した。ペンタセンからのSHGの起源として、表面電位等の発生が無いガラス上蒸着膜においてSHG測定を行った。レーザーを蒸着チャンバーに直接導入し、その場観察を行い、スペクトルと膜厚依存性を測定した結果、電気四重極子によるシミュレーションとよく一致を見せた。このため、ガラス上ペンタセンからのSHGの起源は電気四重極子であると結論付けた。一方、金属基板上ペンタセンからの表面電位誘起のSHGを検討するために、アルミ蒸着膜上にペンタセンを蒸着してSHGのスペクトル測定を行った。その結果、ガラス基板上とは異なった波長(吸収ピークと同波長)で、SHGの共鳴ピークが観測された。共鳴条件を考慮すると、このピークは表面電位由来のものであると結論した。また、このピーク強度の光照射(光照射により表面電位は減少する)による減少も確認でき、これが表面電位由来であることを支持する結果となった。これと並行して、顕微分光測定用光学系の設計および組立てを行った。また、顕微分光の測定対象である、FET構造を作製し、実際にその特性を確認した。
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Japanese Journal of Applied Physics Vol.44,No.4B(掲載予定)
Japanese Journal of Applied Physics Vol.44,No.1B
ページ: 561-565
Journal of Chemical Physics Vol.120,No.16
ページ: 7725-7732
Japanese Journal of Applied Physics Vol.43,No.4B
ページ: 2330-2334
Chinese Physics Letters Vol.21,No.10
ページ: 2026-2028