研究概要 |
高速データ伝送を無線で行うための手段として,UWB無線システムが注目を集めている.本研究の目的は,インパルス信号の送受信に適した,UWB無線システム用の超広帯域アンテナを平面構造で実現するための基礎技術を確立し,同システムの実用化および小型化に資するところにある.本年度においては,準ミリ波帯(22〜29GHz)UWBレーダー用平面型指向性アンテナの構成法の基礎検討を行い,以下の成果を得た. (1)平面アレー構造を有するUWBレーダー用アレーアンテナにつき,基本検討を行った.具体的には,放射素子としてプリントスロットアンテナを,給電線路としてマイクロストリップ線路を採用し,ファンビームを有するリニアアレーの設計法について検討した.数値シミュレーションにより,22〜29GHzにわたる整合の実現と,放射指向性の安定化を図るための放射素子の寸法・配置法を明らかにした. (2)上記のリニアアレーを複数個,2次元配列することにより,ペンシルビームを有するUWBレーダー用アレーを構成した.各リニアアレーへの給電回路を工夫し,整合状態と放射指向性の安定性を確保した. (3)上記(1)と(2)のファンビームおよびペンシルビームアレーの実験的評価を行い,その結果を数値シミュレーションに適宜フィードバックすることにより,アレー構成・設計法を確立した. 以上,本年度において予定していた研究課題について十分な成果が得られた.
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