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2004 年度 実績報告書

室内の残響現象に伴う明瞭度回復処理とその評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760295
研究機関富山大学

研究代表者

広林 茂樹  富山大学, 工学部, 助教授 (40272950)

キーワード残響 / 逆フィルタ / エンベロープ / 残響抑圧 / 室内音場
研究概要

残響は室内壁面に繰り返し反射された音が音源からの直接音に積み重なったものである.この反射音は音に広がりや奥行きを与え,高臨場感通信や仮想現実感(Virtual Realty)システムではこの特性を人工的に付加することが求められている.しかし,音声認識や拡声会議通話では,室内反射音は音源波形に歪みを与え音源波形の特徴を埋もれさせる.そのため,室内音場で観測された残響波形から原音声を回復する逆フィルタ処理が検討されている.このような送受音関係が成立する音場では線形システムで近似できることが明らかになっている.このような線形システムにおける逆問題,すなわち,観測信号から音源信号を推定する問題では伝達系の推定が必要である.しかし,伝達特性は一般に時変系であるため,適応的な推定を必要とし,逆フィルタ処理による音源波形復元は実用的には難しい.そこで,本研究では,残響音場伝達関数の正確な逆フィルタリングを施すことなく,残響波形から音源波形の特徴を回復する可能性を検討した.まずMTFの理論に基づき音声信号を変調雑音信号でモデル化し観測点で統計的にその変化を数学的に解明する.実時間処理を踏まえて,室内インパルス応答を測定することなく残響波形から音源波形を回復するため,残響時間情報を用いたパワーエンベロープ逆フィルタリング処理について検討した.観測された残響波形のパワーエンベロープ(2乗包絡線)は,原波形と室内インパルス応答の各パワーエンベロープのたたみ込みによって表わされることを示し、さらに原波形のパワーエンベロープが観測信号のパワーエンベロープに対して室内インパルス応答パワーエンベロープの逆フィルタリングによって復元できることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 残響音場における相互相関関数を用いた音源包絡の回復2004

    • 著者名/発表者名
      広林茂樹, 林智也, 山淵龍夫, 吉沢寿夫
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌 J87-A

      ページ: 1376-1385

  • [雑誌論文] Blind dereverberation by weighted subtraction using correlation coefficients2004

    • 著者名/発表者名
      T.Hayashi, S.Hirobayashi, T.Yamabuchi, T.Yoshizawa
    • 雑誌名

      Proceedings of the Fifth Asia-Pacific Conference on Industrial Engineering and Management Systems

      ページ: 30.3.1-30.3.9

  • [雑誌論文] 残響過程における相関関係を利用した残響抑圧法2004

    • 著者名/発表者名
      林智也, 広林茂樹, 山淵龍夫
    • 雑誌名

      平成16年度日本設備管理学会秋季研究発表大会論文集

      ページ: 141-146

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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