研究概要 |
Matching Pursuitsは、符号化対象信号に適した辞書を用いて信号を近似する手法であり、信号電力が最も大きい信号成分から近似を行うため、低いビットレート時に高い符号化効率が得られる。動き補償予測とMatching Pursuitsを組み合わせた低ビットレート画像符号化アルゴリズムの開発を目的としている。 本年度の研究によって得られた成果は大きく以下の通りである。 Matching Pursuitsでは、符号化処理時に対象信号と辞書の内積を計算し、最も近時効率の高い辞書を選択する。この処理は非常に大きな計算量が必要となるため、計算量の削減のために一次元関数の直積から作成される可分型の二次元辞書が用いられる。しかし、斜めの輪郭に対応する辞書は通常可分型では作成できないため、計算量の多い非可分型の辞書が用いられてきた。そこで、可分型の二次元辞書に簡単な幾何変換を行うことで、可分型辞書を斜め輪郭パターンに適用する手法を提案した。その結果、可分型の辞書とほぼ同等の計算量で,斜め輪郭パターンに対する辞書の適用が可能となった。 現在、システム全体の符号化効率向上とMatching Pursuitsの辞書探索処理の高速化について検討を進めている。
|