研究概要 |
高性能サブミリ波アンテナの理論的設計を行うと同時に,評価測定システムの立ち上げと本システムによる試作アンテナの実測を行った. 1.高性能サブミリ波アンテナの設計 ホーンの内側にヒダを設けたコルゲートホーンアンテナを基本構造として、サブミリ波(300GHz〜1THz)で応用可能な広帯域、鋭角指向性、高い偏波分離特性を有するアンテナの開発を電磁界理論に基づくシミュレーションを通して行った.その結果,ホーン給電部に曲線的なモード変換テーパを採用する事で300GHzから700GHzにおいて電圧定在波比が1.05以下、かつ交差偏波が主偏波に対し-50dB以下となる高性能広帯域サブミリ波アンテナの理論的に設計に成功した.更に,700GHzから1THzにおいても同様な性能が得られるサブミリ波アンテナの設計を継続して行っている.研究成果は学術論文へ投稿中である. 2.サブミリ波アンテナ評価システムの立ち上げと実測 日本国内の研究機関においてサブミリ波ネットワークアナライザーをレンタルし,自作の測定機器や備品,治具等を組み合わせて、設計したサブミリ波アンテナの評価測定システムの立ち上げを行った.また,本評価測定システムを用いて試作した300GHzから700GHz用サブミリ波アンテナの利得,偏波特性と放射指向特性の測定を行った.測定結果は理論結果と非常に良く一致し,本研究において提案している評価システムとサブミリ波アンテナの高性能化設計法の有効性を実証した.また,本研究成果についても現在学術論文へ投稿中である.
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