前年度開発したX帯(9.4GHz)におけるマイクロストリップ形のFETを使った円偏波アクティブアンテナを用いて、製作した4素子のアクティブアンテナアレーを用いた同期実験において発振回路とアンテナ間の空間結合を減少させるために用いたマイクロ波増幅器の間の整合に問題があることが分かり、整合回路の再設計を行い2素子アレーを用いて相互同期実験を行った。その結果、新たな発振回路間の同期条件が求まった。 円偏波の右旋・左旋を切り替えるスイッチに活用するための準ミリ波帯広帯域高速スイッチの開発に関しては、基本回路部についてのシミュレーション評価を行うと共に、詳細な回路パラメータ依存性について検討を行った。本回路は、主線路に分岐線路・ダイオードの並列回路の多段構成で形成された回路を用いている。結果は、基本回路部の特性は、マイクロストリップ線路の損失も考慮に入れて計算した結果、実験値とシミュレーション結果は2%以下の制度での一致が見られた。また、主線路と分岐線路の特性インピーダンスの間の関係についてアイソレーション特性との関係を解析的に求めた。 さらに、ITSなどの移動体通信への適用として車両ボディー形状に適合して配列する多面体アレーアンテナの設計方法について検討を行った。その結果、最低受信電力とアンテナ素子数の関係がシミュレーション的に求められた。
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