研究概要 |
本研究は,24時間の周期を持つ安定なリミットサイクルを持つようなvan der Pol型振動子を用いて,振動型ニューロンをモデル化する.そして,この振動型ニューロンのモデルを用いて,大規模振動型ネットワークを構成し,その同期化について調べる.局所的安定論やHopfの分岐理論を参考にし,昨年度に構成された大規模振動型ネットワークをさらに解析し,その同期化についてさらに詳細に調べる.そして,長距離結合がネットワークの同期化過度時間を左右し,長距離結合の数が多ければ多いほど,同期化現象が発生しやすくなるうえ,同期化過度時間も短くなる.さらに,前年度に提案した長距離結合の分布モデルに従って,計算機シミュレーションを実施し,ネットワークにおける長距離結合の数と同期化過度時間の関係を詳しく調べる. 同期化できる大規模振動型ネットワークシステムのニューロンを大規模に破壊し,計算機シミュレーションにより,ネットワークシステムの同期化が高いロバスト性を持つことを確認する.それから,この同期化の高いロバスト性について理論解析し,動物の脳がかなりの損傷を受けてもその基本的機能が失われないと言う事実をよく説明できるように追究する.そして,損傷の程度と同期化過度時間との関係を調べる.さらに,計算機シミュレーションを実施し,得られた理論成果を検証する.
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