研究概要 |
本研究では,建設汚泥等の泥土を原料とした粒状材料を使用し,夏場における舗装体内の温度上昇を抑制する舗装構造を検討することを目的としている. 本年度の研究では,粒状材料を透水性舗装と保水性舗装の路盤に適用した場合の路盤層の吸水,保水,蒸発性能を検討するために従来のクラッシャランを路盤に用いた透水性舗装,保水性舗装と,雨水の吸水・保水性,舗装からの蒸発水量を比較検討した.また,粒状材料の路盤としての支持力,透水性,耐久性などの道路工学的特性について検討した. 得られた知見をまとめると以下のとおりである. 1)粒状材料による路盤層は,いずれの舗装も雨水により飽和状態まで吸水し,その保水量はクラッシャランによる路盤層よりも高く,吸水,保水性に優れている. 2)しかし,蒸発水量は路盤がクラッシャランの場合より低く,保水した水分はあまり蒸発しない. 3)粒状材料を締固めた層のCBR,透水係数は,粒子強度に依存する. 4)十分に改良した粒状材料では,締固めた層のCBRはクラッシャランより高く,透水係数と繰返し載荷による変形量はクラッシャランと同等である. 5)改良が十分でない粒状材料では,再泥土化する.
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