(1)床版として使用されたボンゴシ材から圧縮・曲げ・せん断試験用のJIS小試験片を140個づつ採取した。これらは腐朽が進んでいるものもあり、比較的健全なものから劣化しているものまで含まれている。 (2)計420個に対してそれぞれ強度試験を実施した。 (3)それらに対して穿孔抵抗測定器により深さ毎のトルク値を測定した。 (4)(3)の結果はイメージ的に得られるため、部材の残存性能を検討する上では唯一の指標が求められるところである。そこでこれをデジタル処理し圧縮、曲げ、せん断耐力の基準となりうる健全度指数を定義した。 (5)それぞれの健全度指数と強度との相関を調べた。その結果かなりの相関があることがわかっ (6)このことから、穿孔抵抗測定を行いその結果を基に指数を求めることでその部材の強度を推定することが可能できることがわかった。 (7)以上の手順の検証のために、古材を用いた実大の曲げおよび圧縮試験を行った。圧縮耐力と健全度指数から求められるその推定値との比較を行った。試験体のいくつかでは劣化が局所的かつ激しく、その破壊荷重を精確に推定することは困難であった。ただし、許容応力を下回るほどの劣化であるかどうかを判定することは容易であり、試験体のすべてでそれを予測することができた。
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