研究概要 |
橋桁の空力弾性振動の制御は構造力学的な対策と流体力学的な対策が考えられるが,流体力学の他の分野を見れば最近の競泳用水着のように表面の微細な形状変化によって,流体抵抗を低減している例などがあり,橋梁の空気力についても流体力学的に検討する余地があると考えられる。橋梁桁断面を簡略化した形状として偏平な角柱を対象として,その表面上に壁状の突起を設けることによって,剥離流れの三次元的な挙動を作り出し,剥離流れの形成に変化を与え,非定常流体力を低減しようとするものである。 本研究では,ある吊橋の補剛桁から構造的に必要な部分だけを取り出したB/D=6.67の長方形角柱を基本断面として,角柱の前縁隅角部の内側上表面に壁を付け,これらの間隔や長さによる剥離流れの変化に着目して,数値流体解析および水槽実験による流れの可視化を行った。数値流体解析を行うために,5CPUのPCクラスターシステムと連続体力学ソフトウェアライブラリFOAMを導入し,LES解析システムを構築した。角柱周辺の流れ場の解析を行い,解析結果による流れの可視化と流体力の算出を行った。回流式固定水路で角柱の剥離せん断層内部の流れの可視化実験を水素気泡法で行い,PIVによる流速抽出を試みた。 数値シミュレーション結果から,壁高欄を間欠設置することによって,剥離流の三次元性が強くなることを確認した。さらに水槽実験の水素気泡法による流れの可視化でも,数値シミュレーション結果と同様に,剥離流に強い三次元的な挙動が起こることを確認した。
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