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2004 年度 実績報告書

沈水植物群落および有機物層が動物群集に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 16760402
研究機関埼玉大学

研究代表者

MANATUNGE J.M.A  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50334157)

キーワード沈水性植物 / 有機土層 / シャジクモ / フサモ / イバラモ / 光環境 / 嫌気性 / オーストラリア
研究概要

平成16年度においては、シャジクモ、フサモ、イバラモについて、オーストラリアの湖で定期的な観測を行って、バイオマスの変化また種ごとの競争に関する生態学的知見を得た。
まず,流れの速い場所では,有機土が堆積しにくい。そのため,根が弱く,体の壊れやすいイバラモは生育できない。しかし,一方では,十分に根を張る場所があるためにフサモは生育可能である。フサモは光環境は極めて悪化させ,シャジクモ類は生え難くバイオマスは減少する。
一方,流れのない穏やかな場所では,シャジクモによって有機土が生産され堆積する。そのため,フサモは生え難い。イバラモにとっては極めて生育しやすい環境ではあるが,季節性の高いイバラモは異常に繁茂する5月前後を除けばバイオマスの量が少なく,シャジクモの生長を押させるほどにはならない。そのため,イバラモが生える場所でも通常はシャジクモが卓越する。ところが,5月前後には,イバラモが水面付近にまで達する程に生長する。そのため,光環境が悪化,イバラモ群落の下ではシャジクモの量は減少する。
最後に,シャジクモによって形成される有機土層は,極めて嫌気性が強く,また,柔らかいことから,他の沈水植物は浸入し難い。ヨーロッパ等のいくつかの湖において,シャジクモ群落の発達した湖で植物の多様性が極めて低くなることがいわれている。この原因はシャジクモの生産する有機土層にあると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] The effect of epiphytic algae on the growth and production of Potamogeton perfoliatus L.in two light conditions2004

    • 著者名/発表者名
      T.Asaeda, M.Sultana, J.Manatunge, T.Fujino
    • 雑誌名

      Environmental & Experimental Botany 52

      ページ: 225-238

  • [雑誌論文] The effects of flowing water and organic matter on the spatial distribution of submerged macrophytes2004

    • 著者名/発表者名
      T.Asaeda, H.N.Thanh, J.Manatunge, T.Fujino
    • 雑誌名

      J.Freshwater Ecology 19・3

  • [雑誌論文] Colonization and growth of epiphytic algal communities on Potamogeton perfoliatus under two light regimes2004

    • 著者名/発表者名
      M.Sultana, T.Asaeda, J.Manatunge, A.Ablimit
    • 雑誌名

      New Zealand Journal of Marine & Freshwater Research 38

      ページ: 585-594

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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