| 研究概要 |
本研究では,不整形地盤上の複数地点において微動の移動1点3成分観測を行い,その水平/上下スペクトル比(H/Vスペクトル)を求め,弾性波動論に基づく同時逆解析から不整形地盤のS波速度構造を同定する手法を提案し,その有効性および適用限界を種々の地盤構造を有する地域での微動観測から検証し,さらに地盤震動特性評価への応用の可能性を検討することを目的とする.このための検討として,平成17年度は,以下の内容を実施した.
(1)前年度の実施内容(3)を継続し,構造が既知である不整形地盤においてさらに現場実験を行い,微動のH/Vスペクトルデータを蓄積した.
(2)前年度の実施内容(4)を継続し,さらに多くの不整形地盤についてS波速度構造の同定を行うとともに,提案手法の有効性および適用限界について検討した.
(3)強震記録が得られている不整形地盤上の地域において,提案手法を用いて地盤のS波速度構造を推定し,推定地盤構造に対する地震応答解析を行った.応答解析結果と実地震記録との比較から,提案手法の地盤震動特性評価への応用の可能性を検討した.
以上から,本研究では,不整形地盤上の複数地点において微動の移動1点3成分観測を行い,そのH/Vスペクトルの同時逆解析から不整形地盤のS波速度構造を同定する手法を提案し,その有効性を実証した.また,提案手法の地盤震動特性評価への応用の可能性を示した.
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