研究概要 |
初年度は、実験パラメータの選定のために立体骨組モデルの地震応答解析を実施した。6階建ての鉄筋コンクリート構造を対象とし、平面形状は、1×1スパン、1×2スパン、3×2スパンの3種類とした。1×2スパン、3×2スパンの中には、「大都市大震災軽減化プロジェクトII震動台活用による構造物の耐震性向上研究 鉄筋コンクリート建物実験(以下、大大特と略記)」において大型耐震実験施設にて実施した1/3スケールモデルの試験体も含んでいる。この他の解析パラメータは、部材断面寸法、各階重量、入力地震動とした。断面寸法と各階重量の組み合わせにより、弾性固有周期を変化させた。入力地震動は、既往の代表的な観測波(El Centro NS (1940),八戸EW (1968),神戸海洋気象台NS (1995), Taft EW (1952),東北大学NS (1978))、および模擬地震動を用い、加速度振幅の倍率をさまざまに変化させた。 次年度に実施する予定の超小型立体試験体は、実大の1/20スケールモデルとし、高靭性繊維補強セメントと極細異形鉄筋を用いる。せん断補強筋は用いない。1スパンあたりの長さは30cm程度、柱の断面は3cm角程度になる。加振は1方向加振とする。特性の異なる複数の試験体を振動台上に並列させて設置し、複数を同時に加振する方法と、同じ特性の試験体を複数製作し、入力地震動を変えて加振する方法の2通りを計画している。地震応答解析結果との比較も試み、解析で予測された結果と実験結果が如何に対応するかを検討し、固有周期および入力地震動の違いが地震最大応答、特に建物高さ方向の分布に及ぼす影響について明らかにする。
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