本年度は研究の基礎となる基礎的な日射量データの収集を目的として太陽追尾式の日射日照計およびデータ収集用のデータロガーを購入し、短い時間間隔での日射量データの収集を開始した。選定した日射日照計は現在気象台で標準的に使用されている機器と同種のものとし、1Hzにて全天日射量、法線面直達日射量を観測し1分ごとに各日射量の平均値、日照時間をデータベースとして保存するように設定している。直達日射計の開口角はWMOで規定されている半角2.5度である。データ収集は現在も継続中である。また、地域性の検証として大阪府堺市での短期実測も行った。 以上からこれらの観測データに加え、以前から測定を行っているスカイスキャナーによる放射輝度分布測定、日射量の10分データ、公開されている気象台観測データ等を用いて、特に全天日射量から直達日射量・拡散日射量を推定する直散分離式の精度について誤差を与える要因(例えば日射の短時間変動成分、天空放射輝度分布の不規則性など)の詳細な検証を本年度は行った。その一部は、IBPSA Japanのシンポジウム(査読付)にて発表した。 次年度は日射計の開口角を強制的に変化させる工夫を施し、より詳細をデータ収集を行い本題である放射輝度分布を考慮した日射量データの整備を進める。
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