1)低マッハ数近似式による厨房内の気流性状、熱・物質輸送性状の解析・検証 高天井型排気システムを導入した厨房実験を対象として流れ場、温度場、湿度場及び汚染質濃度場に関してCFD解析を行った。汚染質濃度場の解析に関しては、汚染質を模擬したトレーサーガスが流れに対してパッシブに輸送される(パッシブスカラー)ものとして解析を行った。予測された流れ場、温度場、湿度場、汚染質の濃度場のうち、主に温度場に関して実験データと比較することにより本解析手法の予測精度の検証を行った。鉛直温度分布の実験データと解析結果との比較に関しては、概ね良好に現象を再現できたが、解析段階での境界条件のモデリング(簡易化。例えば、吹き出し条件や熱負荷の発生条件等)により、局所的に実験データと異なる結果となった。また、今回の解析では、低マッハ数近似モデルのカップリングが不十分であるため、流れ場の詳細な空間分布の予測に関しては今後の検討課題と位置づけている。 2)電化厨房設計のための基礎データの整備 上記1)及び平成16年度の研究成果を基に、厨房内の顕熱・潜熱混成プリュームの気流性状、温度性状及び汚染質濃度の拡散性状等をデータベース化し、厨房設計のための基礎資料を作成した。排気フードの捕集率や厨房内の温熱・空気質環境に関してもデータベース化に関しては、今後の検討課題である。
|