研究概要 |
新潟市近郊の郊外ニュータウンを選定し以下の調査を行った. 1.ガーデニング,DIY等の普及度の実態調査 新潟市内近郊のニュータウン10箇所1125戸を対象に,街路から住居玄関にいたるアプローチ部分の居住者による作り込みに関して調査を行った.アプローチ空間を対象としたのは,住居の顔として,特に居住者による作り込みが顕著であるためである.調査の結果,居住者による作り込みには,入居当初は和風,メルヘン風,カントリー風などいくつかの参照されるテーマがあるが,入居年月が長くなるほど,一貫性がなくなることや,近隣の影響や入居時期による流行があることが明らかになった.今後はこうした流行や近隣の影響がどのように生まれたのかについても調査を進め,緩やかに町並みを揃えていく手法を検討していきたい.また,ニュータウン内にはログハウス風住宅など,居住者の住居に対する思い入れが全面に表出した個性派住宅が散見された.こうした住宅は住宅地の町並みという観点では異質な存在ではあるが,外構に関して積極的な作り込みが行われている場合も多く,来年度以降も注目して調査を進める. 2.航空写真による街区の経年変化調査 航空写真や住宅地図の分析により,街区割りや,建物の配置方法,分譲面積,駐車スペースの位置などが,ニュータウン(とくに小規模開発)の開発時期によって異なることが明らかになった.今後はこうした違いが居住者による作り込みや街路景観にどのような影響を与えているのか分析を進めていく.
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