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2005 年度 実績報告書

地域産業による木材資源の持続的利用からみた需給不均衡に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760500
研究機関早稲田大学

研究代表者

白井 裕子  早稲田大学, WABOT-HOUSE研究所, 講師 (90350363)

キーワード河川流域圏 / 長良川流域 / 岐阜県 / 森林資源 / 地域産業 / 木材産業 / 木材流通 / 木材需要
研究概要

1.研究活動実績
木の国、山の国と言われ森林が面積の82%を占める岐阜県を対象とした。特に全国各地で問題となっている拡大造林時に植林された人工スギが最も高い構成比を占める長良川流域に比重を置いて調査を行った。
我が国の特微を把握する為、米国ワシントン州で資源と産業の関係、社会制度を調査した。この米国北西部から輸入される米松等の工業製品が、我が国の木造住宅建築で大量に消費されている。
2.研究成果実績
岐阜県を構成する5流域(長良川、揖斐川、木曽川、飛騨川、宮・庄川)で、森林資源と木材地場産業の関係を考察した。河川流域は当該地域の生態系に深く影響を与え、その結果、流域毎に森林資源に特徴が見える。そしてその森林資源を利用して育まれた木材地場産業の文化に個性が生じている事が分かり、また自然災害の発生状況にも特徴が見られた。
行政区域ではなく自然条件により境界をなくす河川流域を調査対象地域とし、実態を標本からの推計ではなく、実数の積み上げにより、木材供給、流通量とその経路、木材需要について把握した点が、従来研究にはない本研究の特長の一つである。
長良川流域では伐採すべき量の5分の1程度しか生産されておらず、この数値がいかに山林が放置されているかを裏付ける。材価の高いものが県外に出される傾向があり、製材加工の段階では、流域で算出された木材の市場規模は県外で大きくなる。流域は広樹林をひく小規模な製材所が多く、さらにスギはヒノキに比べ乾燥が難しく、製材技術や施設が発達していない。また東濃檜のように流通銘柄化なども進んでいない。また製品市場がない。木造住宅建築における木材需要量を流域内の森林資源で供給できるが、総需要量14万m^3に対し、国産材使用量は4万m^3程度であった。長良川流域の森林資源のサステナビリティに対する木材地場産業の寄与率を試算すると13.5%程度であり、非常に低いことが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 岐阜県長良川流域における木材流通と木材需要の均衡に関する調査研究-地域産業を通じた森林資源の持続的保全-2006

    • 著者名/発表者名
      白井裕子
    • 雑誌名

      日本建築学会環境系論文集

  • [雑誌論文] 岐阜県における地域産業を通じた森林資源の持続的保全に関する研究-河川流域圏毎に森林資源に特徴づけられた産業文化と森林資源をめぐる産業と公共の均衡-2005

    • 著者名/発表者名
      白井裕子
    • 雑誌名

      日本建築学会・D-1環境工学I 40436

      ページ: 893-894

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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