研究概要 |
2004年度より開始した新規研究テーマである。主に日本・ヨーロッパアルプスにおける先駆的なライトインフラストラクチャーとしての山小屋建築事例の調査分析を行っている。 日本においては、北アルプスにおける8軒の山小屋調査を行った。2004年7月に白馬鑓温泉小屋(標高2,100m・収容人数150名)・白馬尻荘(標高1,550m・収容人数200名)・白馬尻小屋(標高1,560m・収容人数200名)、8月に洞沢ヒュッテ(標高2,350m・収容人数200名)・涸沢小屋(標高2,350m・収容人数200名)・穂高岳山荘(標高2,996m・収容人数350名)、9月に白馬山荘(標高2,832m・収容人数1,500名)・白馬大池山荘(標高2,380m・収容人数250名)のそれぞれ地形的特質、気候的特質、インフラストラクチャーの整備・運営状況、建築配置図・平面図・立面図・断面図などを、現地実測調査・ヒアリングによって行った。それぞれ立地に応じた太陽光発電・風力発電などの電力供給や浄化槽などの汚水処理システムが見受けられた。 ヨーロッパにおいては、ドイツアルプス・アレガウ山系における5軒の山小屋調査を行った。2004年10月にNebelhorn hutte(標高2,224m)・Edmund-Probst-Haus(標高1,932m)・Schwarzenberghutte/シュヴァルツェンベルグヒュッテ(標高1,380m・収容人数40名)ほか2軒のそれぞれ、日本と同様に調査を行った。 調査は具体的には、山小屋建築インフラシステムの静止画/動画による撮影・実測・ヒアリングなどによって行われた。現在はそれらの調査データを元に現状の諸問題洗い出しと整理・抽出を行っている。2005年度には建築設計モデル提案に移行しつつ、補完的にさらに国内外において調査を行う予定である。
|