本研究の目的は、人間の景観知覚に基づいた昼から夜への景観の様相変化の把握モデルを作成することである。具体的には以下の通りである。(1)景観画像上の景観構成要素の明るさや色彩などの情報の時間的変化の特徴を画像処理によって明らかにする。(2)被験者を用いた実験により「昼景」から「夕景」「夜景」へ移り変わる景観画像の識別状態を把握する。(3)上記の(1)と(2)を関係づけ時間的に移り変わる景観の識別構造をモデル化して、景観の昼から夜への様相変化を記述する。 これにもとづき、本年度は 1)自然環境および自然と人工の複合環境による景観の様相変化事例を収集整理し、対象を選定した。(継続中) 2)上記の景観に対し、定点観測による写真撮影(昼から夜まで等間隔で撮影)を行い基礎資料を作成した。(継続中) 3)上記で得られた写真をもとに、実環境を反映した景観画像を作成し、コンピュータを用いて、景観画像上の明るさや色彩などの情報の時間的変化の特徴を画像処理によって定量的に把握する方法を検討した。具体的には画像の二値化処理およびエッジ検出について検討した。(継続中) 4)上記の昼から夜にかけての景観画像を用いて、次年度の識別実験の実験方法の検討を行った。(継続中)
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