研究概要 |
インドのアーメダバードに建設されたル・コルビュジエLe Corbusierの建築作品は4作品(3住宅、1美術館)であるが、建設されていない2計画案(2住宅)を含めて、その設計過程、それらの相互関係について、アーメダバードにおけるル・コルビュジエの建築制作に関する総合的なアーカイブ構築のため、ル・コルビュジエの建築図面集Le Corbusier Archives, Garland、ル・コルビュジエの手帖Le Corbusier Carnets, The Architectural History Foundation及びル・コルビュジエ財団Fondatio Le corbusierに保管される建築図面・書簡を収集整理し、また現地調査によって周辺環境状況を把握した。また当時ル・コルビュジエと協働した建築家B.V.ドーシBalkrishna V. Doshi氏へのヒアリングを行い、資料として残されていない建築設計の実像を明らかにすると同時に、当時アーメダバードにおける建設施工法の特殊性についても調査を実施した。 以上の資料収集整理に基づいて、アーメダバードにおけるル・コルビュジエの建築制作の全体像の見取り図を把握し、とくに、アーメダバードのショーダン邸Villa Shodhanの制作過程について詳細な分析を試み、ル・コルビュジエにおける敷地環境の解釈、既得の建築語彙のアーメダバードへの適応法などのいったんを明らかにし、建築意匠論的な手法による環境デザイン論の構築を試みた。また、ル・コルビュジエの建築語彙として「屋根」に着目し、その環境デザイン的な分析を試みた。
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