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2005 年度 実績報告書

プロチウム導入法による透明導電性酸化物薄膜の作製

研究課題

研究課題/領域番号 16760533
研究機関九州大学

研究代表者

有田 誠  九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (30284540)

キーワードプロチウム / 酸化物 / 薄膜
研究概要

RFマグネトロンスパッタリング法により、石英ガラス基板上に酸化物薄膜を堆積させた。ZnO焼結ターゲットを用いて成膜したノンドープのZnO薄膜に、イオンガンを用いて2kVの加速電圧で0〜2×10^<16>ions/cm^2の範囲でH_2^+イオン注入を行った。また、GeをドーピングしたZnO薄膜は、ZnOとGeO_2の粉末を混合しプレス後焼結したものをターゲットとして成膜した。試料薄膜の電気特性は、特性評価装置チャンバーにおいてVan der Pauw法により測定した。結晶構造およびCL特性についても調査した。
プロチウム導入によりZnO膜の電気伝導性の改善が確認され、プロチウムドーズ量1.2x10^<16>ions/cm^2で、8×10^<-3>Ωcmの抵抗率が得られた。電気伝導性の改善は、キャリア密度の増加と関係していた。また、CL特性より、プロチウム導入量の増加に伴い伝導帯直下に新たなエネルギー準位が形成されていることが示唆された。これらの結果から、プロチウムが浅いドナーとして働いているものと考えられる。プロチウム導入による透過率の低下はほとんど認められず、可視域の透過率は80%以上を維持した。
また、他元素ドーピングを行ったZnO薄膜の基礎的特性を把握するために、Geドーピングを施したZnO薄膜を作製した。Ge含有量3at%で2×10^<-3>Ωcmの抵抗率が得られた。電気伝導性の改善は、キャリア密度の増加によって起こったと推測される。しかし、Ge含有量がある値よりも高くなると抵抗率は再び増加した。これは、多量のドーピングにより結晶構造が変化したためであると考えられる。光学特性については、可視域での試料の透過率は約80%であったが、高い電気伝導性を持つ試料では、吸収端付近の透過率がわずかに減少した。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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