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2004 年度 実績報告書

非晶質ジルコニアバッファ層の創製

研究課題

研究課題/領域番号 16760544
研究機関東京工業大学

研究代表者

木口 賢紀  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70311660)

キーワードジルコニア / 非晶質 / ゲート絶縁膜 / バッファ層 / 電子顕微鏡 / 微構造 / 薄膜 / 誘電性
研究概要

種々の電子・光学セラミック薄膜をSiウエファ上に堆積させ,優れたデバイス特性を引き出すためのジルコニアバッファ層について検討した.特に,i容量-電圧(C-V)特性におけるヒステリシス解消,ii界面準位密度低減,iiiリーク電流の低減を実現するため.申請者らはジルコニアバッファ層の非晶質化を目指した.まず,PLD法によってp-Si(001)ウエファ上に室温成膜した非晶質YSZ(8mol%Y2O3ドープ),非晶質YTaSZ(8mol%Y2O3-Ta2O5混合ドープ)バッファ層を堆積し,透過型電子顕微鏡中で高温その場断面TEM観察法によって結晶化温度をリアルタイムで評価したところ,YSZバッファ層は約300℃で結晶化が開始したのに対し,YTaSZバッファ層は580℃以上で初めて結晶化が起こった.つまり,Taのドープによって結晶化温度が約280℃も向上したことになる.Taはイオン半径が小さすぎるためジルコニア結晶に大きな歪みをもたらすため,本来ジルコニア結晶中に安定には固溶できないのであるが,Yと共存しYとTaが周期的に固溶するために強く歪んだ正方晶の結晶構造をとる.よって,この様な固溶元素によって結晶に導入される歪みが大きい程,結晶化のための活性化エネルギーが増大し,高温での非晶質ジルコニアの安定性が増大することが明らかになった.本成果より,Yをさらに大きな希土類元素,Laで置換することでさらに格子歪みが増大し,結晶化温度の更なる向上が期待される.次年度は,この方針に基づいてLa-Ta混合ドープジルコニアバッファ層について検討し,結晶化温度上昇の観点から組成や成膜条件の最適化を行う.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] YSZシード層によるSi(001)基板上へのCeO_2薄膜のエピタキシャル成長2004

    • 著者名/発表者名
      水口賢紀, 脇谷尚樹, 篠崎和夫, 水谷惟恭
    • 雑誌名

      まてりあ 43

      ページ: 988

  • [雑誌論文] HRTEM Investigation of Interface Structure of Y and Ta Co-doped Zirconia/Silicon Heterostructure2004

    • 著者名/発表者名
      Takanori KIGUCHI, Naoki WAKIYA, Kazuo SHINOZAKI, Nobuyasu MIZUTANI
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan 112

      ページ: S1111

  • [雑誌論文] In-situ TEM analysis of Crystallization of Zirconia/Silicon heterostructure2004

    • 著者名/発表者名
      Takanori KIGUCHI, Naoki WAKIYA, Kazuo SHINOZAKI, Nobuyasu MIZUTANI
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan 112

      ページ: S1471

  • [雑誌論文] AEM investigation of interface structure of Y_2O_3-Ta_2O_5 co-doped zirconia buffer layer2004

    • 著者名/発表者名
      Takanori KIGUCHI, Naoki WAKIYA, Kazuo SHINOZAKI, Nobuyasu MIZUTANI
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials 269

      ページ: 237

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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