研究概要 |
本研究ではMg系合金の新しい探索手法としてGPaオーダーの高圧合成法を採用し、高容量(5.5mass%以上)を維持しながら動作温度(反応温度)を低温化させる指針を得ることを目的とする。目標値は150℃以下,5.5mass%以上とする。具体的には、Mg-遷移金属and/or希土類元素系合金を系統的に探索し、得られた新規相の構造解析、水素吸蔵特性の調査および電子状態計算等を行い、格子体積または水素占有サイトの圧縮および吸蔵された水素の不安定化を図る。 平成16年度は、Mg-TM系(TM=Ti~Zn)の探索を行い、主に1:1の組成比について検討し、Mg-20Ni,Mg-50Cu,Mg-25CuおよびMg-Feで、これまでに報告のない相が発見された。またCa-TM系においてもTM=NiおよびCuにおいて新規合金を示唆する結果が得られ始めている。Mg-20Niにおいて、545Kにおいて発熱を伴いMg,Mg_2Niに分解し、MgNi_2高圧相は、323〜623Kで熱的に安定であった。水素化反応は観察されていない。MgCu高圧相は、500Kにおいて発熱を伴いMg_2Cu,MgCu_2に分解し、Mg_3Cu高圧相は、430Kにおいて発熱を伴いMg,Mg_2Cuに分解した。水素化反応は観察されていない。Mg-20Niの結晶構造は、単斜晶系に属すると推察される。MgCuの結晶構造は、CsCl構造であった。Mg_3CuおよびCa系については、現在検討中である。
|