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2006 年度 実績報告書

バイオフィルム形成および機能解析のためのマイクロデバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16760629
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮永 一彦  東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (40323810)

キーワードバイオフィルム / モニタリング / 基質消費速度 / 冷却管 / 微生物腐食 / 微生物叢解析
研究概要

化学プラントにおける冷却管などに付着するバイオフィルムは,管内部を観察することが出来ないため,バイオフィルムの形成や肥大化を把握することが困難である。これまで,観察窓を有するバイパスを設ける,バルク水のATP含量を測定するなどの方法がとられてきたがどれも実際のバイオフィルム形成との相関が難しく,これといった手法がないのが現状であった。そこで,本研究では流路下部に担体(基材)を設置し,バルク水を循環させることで担体表面にバイオフィルムを形成することが可能なリアクターを作製した。本リアクターはアクリル製であるため,フィルム形成過程の観察が容易であり,小片である各担体を経時的にサンプリングしていくことが可能である。さらに,フィルム形成の評価を行うために,バイオフィルム形成微生物による各基質(有機酸,イオン,糖など)消費速度の検討を行った。その結果,乳酸の消費速度が最も速く,バイオフィルムの有無による消費速度の差異が顕著に見られた。また,初期の乳酸濃度は10mg/Lであるため,系内のバイオフィルムに大きな影響を与えないと考えられる。リアクターで得られた結果を基に,実際の現場の冷却水系にトレーサーとして乳酸ナトリウムを添加したところ,リアクター実験と同様に冷却管の洗浄前後で乳酸消費速度に大きな差が見られた。これらの結果より,バイオフィルム形成場および観察場としてのリアクターを用いて得られた知見を基に,非破壊的にバイオフィルム形成を評価することが可能であることが明らかとなった。さらに,本リアクターを用いて連続運転を行い炭素鋼片にバイオフィルムを形成させることにより,微生物腐食の評価および16S rRNA遺伝子を用いた遺伝子工学的手法を用いたバイオフィルム中の微生物叢の解析も可能となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Iron dependent degradation of an isothiazolone biocide (5-chloro-2-methyl-4-isothiazolin-3-one)2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanji, T.Nishihara, K.Miyanaga
    • 雑誌名

      Biofouling 23・2

      ページ: 73-77

  • [雑誌論文] Monitoring of biofilm in cooling water system by measuring lactic acid consumption rate2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanji, T.Nishihara, K.Miyanaga
    • 雑誌名

      Biochemical Engineering Journal (掲載決定)(印刷中)

  • [雑誌論文] Estimation of the self-purification capacity of biofilm formed in domestic sewer pipes2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanji, R.Sakai, K.Miyanaga, H.Unno
    • 雑誌名

      Biochemical Engineering Journal 31・1

      ページ: 96-101

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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