研究課題
高度な異常検知・故障診断法の開発は、絶対的な安全性・信頼性を求められる宇宙システム研究において、最重要な課題の一つである。本研究の目的は、宇宙機運用データから故障診断知識を自動獲得し、事前専門家知識との融合によって網羅的かつ高精度な異常検知・診断を行ない、さらに暗黙的専門家知識を事後獲得することによって診断性能を改善する方法を確立することである。本研究の初年度である平成16年度は、上記の目標の実現に向けて、具体的に以下の研究を行った。(1)回帰木学習およびRelevance Vector学習を用いた適応的自動リミットチェック法の開発従来から宇宙機運用において広く用いられてきたリミットチェック法に対して、回帰木学習およびRelevance Vector学習などの機械学習手法を適用することにより、過去の宇宙機の運用データ(テレメトリデータ)から各センサーの適正範囲を自動かつ極めて詳細に学習する手法を開発した。(2)確率推論と統計的学習を用いた宇宙機異常検知・診断法の開発動的システムの状態推定法として強力な手段である確率的モデル化・推論手法Dynamic Bayesian Networksに対して、構造・パラメータを統計的に推定する方法を統合することにより、設計者・専門家の事前知識に基づくシステムモデルの不正確性・不確定性を実際の運用データに基づいて適切かつ効率的に修正する手法を開発した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Proceedings of the ninth Pacific-Asia Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (発表予定)
Lecture Notes in Computer Science 3056
ページ: 240-244
Proceedings of The 24th International Symposium on Space Technology and Science (CD-ROM)
Proceedings of International Conference on Systems, Man and Cybernetics
ページ: 5130-5135
電子情報通信学会技術研究報告 NC2004-10-18
ページ: 21-26