本年度の研究実施計画では、動揺がある場合のシミュレーションプログラムの製作、同左プログラムを用いた動揺シミュレーション、動揺の補正を行なう合成開口処理プログラムの製作、同左プログラムを用いた動揺補正シミュレーション、以上4項目の達成を目標とした。 1、動揺がある場合のシミュレーションプログラムの製作 MATLAB言語で当該プログラムを完成させた。 2、動揺がある場合のシミュレーション プログラムを用いての動揺シミュレーション完成させたプログラムを用いて、実海域における合成開口ソーナーを想定したシミュレーションを行った。シミュレーションでは周波数や帯域、ピングインターバル等のソーナーパラメータを実海域における合成開口ソーナー運用時に適切と思われる値に設定し、波浪の周期と振幅、曳航体及び自律型無人潜水機の実際の動揺から求めた周期と振幅をもとに、動揺を加えた状態で合成開口処理を行い、観測目標画像の歪みと反射波強度の最大値から分解能の悪化を定性的・定量的の両面で解析した。その結果、分解能への悪影響は動揺周波数に大きく依存する事がわかった。 3、動揺の補正を行なう合成開口処理プログラムの製作 MATLAB言語で当該プログラムを完成させた。 4、動揺の補正を行なう合成開口処理プログラムを用いた動揺補正シミュレーション 未実施。従って、劣化動揺データを用いた補正処理の限界、補正処理に適した実海域用合成開口ソーナーの周波数や帯域、センサーの必要精度等の見極めも未実施。 本年度研究計画には含めなかったが、合成開口システムにおけるプラットフォームの動揺を補正する新方式を開発し、その特許権を申請した。また実験水槽において合成開口ソーナーに動揺を加えた状態で目標を観測し、その結果と目標1で完成させたプログラムによる同条件下でのシミュレーション結果を比較し、両者が同じである事を確認した。
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