研究課題
本研究では、プラズマ閉じ込め装置で広く使用されている「シリコン半導体検出器」に対し、核融合生成中性子照射環境下での「中性子損傷に拠る半導体計測器検出効率の変化」を、我々が提唱し最近実証された「半導体検出器新感度理論」に、中性子照射効果を含める手法を用いて定式化することを目指している。これまでの予備実験では、半導体検出器新感度理論の2つのキー・パラメータである「信号電荷三次元拡散長」、並びに「空乏層厚」が、中性子損傷を受けた半導体感度に対しても主要な本質的パラメータであることが分かってきた。また、「p型並びにn型シリコン半導体の中性子照射量に対するX線感度特性変化の差異」が明らかとなってきた。この両型の異なる振る舞いを統一して解釈すべく、両型の特性を決める実効的不純物濃度変化に着目し、これにより生じる拡散長並びに空乏層厚の中性子照射量に対する変化を評価し、両パラメータを用いたX線感度の定式化を目指す。そのために今年度は、感度劣化の割合がn型シリコンに比べ小さかったp型シリコン半導体について、初期不純物濃度100-10000 Ohm-cmの異なる素子を準備し、初期不純物濃度の異なる半導体について中性子照射実験を行い、その後X線感度特性変化の比較解析をシンクロトロン放射光(KEK)を用いて行った。中性子照射フルエンス量(時間積分量)としては、まずは0.1-10×10^<13> neutrons/cm^2をDT核融合中性子源(原研FNS)に於いて照射した。以上、半導体感度変化と中性子照射量の関係の定式化の系統的データ収集を行った。
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