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2005 年度 実績報告書

分光学的手法による核融合プラズマ中固体水素ペレットの溶発過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16760672
研究機関核融合科学研究所

研究代表者

後藤 基志  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00290916)

キーワードLHD / ペレット / シュタルク広がり / 局所熱平衡
研究概要

LHDにおいて水素ペレットを入射し,水素原子のバルマー系列線を観測した.前年度の研究において,ペレットの周囲に形成される高密度プラズマ,いわゆるクラウドの内部では,完全局所熱平衡プラズマが生成されていることが見いだされており,その場合,連続光やそれぞれの発光線プロファイルを含む発光スペクトル全体は電子温度および密度のふたつの条件により一意的に決定されることを利用し,これらをパラメータとするスペクトルの最小二乗フィッティングを行う計算コードを開発した.これにより,計測されたスペクトルからプラズマパラメータを求めるための解析効率が高くなり,多くのスペクトル解析を容易に行うことができるようになった.ひとつのペレット入射に対するスペクトルの時系列データを解析した結果,電子温度は1.0eVのほぼ一定値で,電子密度が時間とともに上昇することが明らかとなった.また,サイズの異なる2種類のペレットについての多くのスペクトルの解析から,サイズの大きなペレットの方が,より高い電子密度まで到達することが明らかとなった.しかしながら,サイズの小さなペレットの場合,観測された連続光スペクトルが,完全局所熱平衡の条件から予想されるものとは大きく異なるという結果が得られた.これが本当に物理的なものなのか,あるいは2次光や迷光などのような分光器の特性から生じているものなのか,いまのところ明らかとなっていない.これらの計測とは別に,バルマーβ線の高波長分解スペクトルの計測を試みた.この発光線に対するシュタルク広がりは非対称な線スペクトルを呈することが知られているが,まだ実験結果を十分に再現する理論的な計算結果は得られていない.今回計測された発光線スペクトルは他に類を見ないほど非常に精度の高いものであり,理論計算の結果を評価することで,シュタルク広がり理論自体の進展に貢献することができると考えている.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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