研究概要 |
本研究では、ミリ波・サブミリ波領域の電磁波、特に超高次モードミリ波・サブミリ波発生の物理機構の解明を行い、ミリ波・サブミリ波領域における伝搬特性、モード変換の発生機構の解明を行う事を目的とする。特に、多くのプラズマ研究装置で普遍的に役立ち、核融合分野の研究に欠かせない、ジャイロトロンに於けるモード変換並びに伝搬の特性を系統的に体系化する事を核融合研究面での研究目的としている。上記を実現するために、今年度は、電磁波モード発振計算に非線形テーパ形状を含めた広範な境界条件において適用可能な計算コードを導入し、モード変換器の形状をパラメータとした計算機シミュレーションと発振特性実験でこれを実証し、高精度で適用範囲の広い計算:法を確立した。まず、非線形テーパ形状を含めたモード変換器の形状をパラメータとした計算機シミュレーションを行い、高効率なモード変換器の形状の検討を行った。その成果として、モード変換器放射器出口からの放射効率が99.5%になる内部形状にモード変換器を最適化することができた。最適化したモード変換器の内部形状計算結果を実証するために、低電力試験用に110GHz/TE22,6及び170GHz/TE31,8のモード変換器のテスト・ピースを製作し、低電力試験による高効率化の実証実験を行った。低電力試験により得られた電磁波放射分布と、計算により期待される放射分布とに良い一致が得られ、これにより大電力ジャイロトロンにおけるモード変換器の高効率化に対する見通しを得た。併せて、大電力・長パルス化に向けた、ジャイロトロン空胴部に於ける熱負荷低減のために、TE31,12、TE31,16、TE31,18及びTE31,20等の超高次モードでの高効率なモード変換器の検討を行った。その結果、上記の超高次モードに於いても、高効率なモード変換器の設計が可能である見通しを得た。
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