・イネ3量体Gタンパク質βサブユニットの発現抑制個体の解析 平成16年度にRNAi法を用いて、RGB1の発現抑制個体を作出した。形質転換には、野生型イネ(日本晴)と、αサブユニット変異体d1(DK22(日本晴バックグラウンドのd1))を宿主として用いた。RGB1-N末端RNAi導入個体は、日本晴、DK22両バックグラウンドともに矮性、致死、小粒、分けつ減少などの表現型を示した。また、すでに矮性を示しているDK22は、RGB1-N末端RNAi導入によりさらに矮化した。 RGB1-N末端RNAi導入個体から細胞膜を調製し、細胞膜に局在するRGB1タンパク質の抑制をウエスタンブロット解析により確認したところ、日本晴およびDK22よりも、RGB1タンパク質が減少していることがわかった。RGB1タンパク質の減少は、矮性や致死の表現型とリンクしていた。 RGB1-N末端RNAi導入個体が示す致死は、ラミナジョイント部分および節に特異的であった。また、分けつ数が減少する表現型は、αサブユニット変異体であるd1には見られない表現型であり、矮性と合わせ、この表現型から、βγサブユニットは、αサブユニットとは独立して細胞分裂および細胞伸長に関与している可能性が考えられる。 ・イネ3量体Gタンパク質γサブユニットの発現抑制個体の解析 RGG1-RNAi導入個体およびRGG1アンチセンス導入個体は、形質転換体馴化の段階で致死となった。
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