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ソデフリンは雄のアカハライモリ肛門腺腹腺より単離・精製された雌誘引性フェロモンである。ソデフリンにはいくつかのバリアントの存在が知られており、RT-PCRによる発現解析により、ソデフリンは全ての個体で発現している一方で、そのバリアントの発現には個体差および地域差があり、特に奈良で捕獲した雄イモリの個体の腹腺では特異的なバリアントを発現していることが明らかになった。奈良の雄イモリの腹腺よりそのバリアントの精製を行い、その精製品の雌イモリ誘引活性を調べたところ、奈良産の雌イモリに対してのみ誘引活性を有する事が分かった。また奈良産の雄イモリの腹腺抽出物にはこのバリアントを前駆体より切断し生成するプロセッシング酵素活性があることを確認した。
雌イモリの鋤鼻上皮細胞にソデフリンを作用させると細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇する。このことからソデフリン受容体はGタンパク質共役型受容体の可能性がある。そこでイモリ鋤鼻上皮細胞からGタンパク質共益型受容体の保存されている配列を基に設計したプライマーを用いて、RT-PCRを行い、複数の新規Gタンパク質共役型受容体cDNA部分配列を得た。その中で雄イモリと雌イモリの鋤鼻上皮細胞での発現を検討し、雌イモリの鋤鼻上皮細胞に特異的に発現するGタンパク質共役型受容体cDNAをスクリーニングする予定である。また雌イモリ鋤鼻上皮細胞cDNA発現ライブラリーを作製した。今後は哺乳細胞にライブラリーを発現させ、ソデフリンとの結合能あるいはソデフリンを作用させた際のカルシウムイオン濃度の上昇を指標にスクリーニングを行う。
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