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2004 年度 実績報告書

生殖的隔離が不完全な種の種維持機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16770070
研究機関兵庫県立人と自然の博物館

研究代表者

布施 静香  兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境評価研究部, 研究員 (30344386)

キーワードHeloniopsis / 隔離 / 種維持機構 / 雑種形成 / 生育地 / 遺伝子解析 / 花期
研究概要

(1)雑種を含む集団および純粋集団における集団内の遺伝的構造:同一集団内に2つの近縁な分類群が生育している兵庫県集団(Heloniopsis orientalis・H.breviscapa var.flavida)と高知県集団(H.orientalis・H.breviscapa var.breviscapa)において,全開花個体をプロットし,個体識別を行った.プロット内の個体において形態や葉緑体遺伝子解析を用いて再同定を行った.葉緑体遺伝子解析としては,種特異的な配列についてPCR-アガロース電気泳動を行い,いくつかのサンプルについてはそのシークエンスを決定した.同時に両集団の全開花個体について花の構造を光学顕微鏡で観察した.(2)微細な生育地の変化に関する調査:両集団の各個体について,土壌の種類,深さ,生育ポイントの斜度,日当たりの程度に関するデータ収集を行った.
上記(1),(2)のうち解析が終了しているデータに,マイクロサテライト解析の結果とあわせると,兵庫県集団では,同一集団内の特定の生育地において,様々な形態的・遺伝的パターンの雑種が形成されていることが分かった.そして,微細な生育地の違いが雑種形成と関わっていることが示唆された.同時に,送粉者のバイヤスが同所集団において自由な雑種形成が阻止している可能性が考えられた.高知県集団については,雑種が形成されていないことが確認された.
(3)花期に関する調査:兵庫県集団では両分類群の花期は雑種個体を含んで連続的であったが,高知県集団ではわずか1週間程度の差があった.(4)実生の形態的・生態的違いと発芽・定着に関する調査:試験的に播種した実生個体の形状の測定を行った.引き続き調査を行い,各実生の生育ステージごとの形態的・生態的違いを調べる.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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